ドラおじさん
薬剤師専門の大手人材紹介会社に勤務していたアドバイザーで、薬剤師転職のプロ。見た目はメタボだけど仕事はめちゃくちゃ頼りになるおじさん。(ドラおじさんの詳細はこちら
結論から申し上げると、調剤薬局の薬剤師になることはお勧めできません。 現在調剤薬局を運営する企業のほとんどが、在宅に注力する流れです。また、まひろさんが薬剤師になったとして、周りの同期より10歳近く年齢が高いにも関わらず、仕事の選り好みをするのはキャリア形成において致命的といえます。在宅医療を避けて調剤薬局でキャリアアップを図るのはかなり難しいでしょう。 また、薬学部に入学すると5年生で11週間の薬局実習に参加しますが、ここでおそらく在宅医療に同行することになると思います。薬局実習は必須単位なので、在宅医療の見学を拒否することはできません。つまり「在宅医療に絶対行きたくない」というのであれば、薬学部を卒業することすらできない可能性があるということです。 そこで、在宅医療に対する考えを改めることはできませんか。 私はよく「在宅を担当したくない」という薬剤師の相談を受けるのですが、そのほとんどの方が在宅業務に携わったことがなく、勝手にかなり悪い想像を膨らませてしまっています。確かに患者さんとのトラブルに巻き込まれたり、家の中が不衛生だったりすることもありますが、それが普通ではありません。薬局実習で実際に体験してみることで考えが変わるかもしれません。 在宅医療に携わってもどうしても耐えられない場合は、その時に会社と相談してみてください。何か解決策を考えてくれるはずです。 また人間は慣れる生き物です。最初は抵抗があるかもしれませんが、次第に慣れてきます。調剤薬局の薬剤師を目指すのであれば、在宅医療に携わるつもりで就職することをお勧めします。 一方で、ドラッグストアの薬剤師を目指すのであれば話は別です。調剤薬局よりも早期に年収が上がるので、年収500~600万円で十分ということであればドラッグストアに就職すると良いでしょう。 管理職を目指さないのであれば、ドラッグストアであれば在宅を避けて安定して働くことは可能です。患者さんへの対応や積極的な業務改善提案ができれば、薬剤師として重宝されると思います。 まひろさんがどのような薬剤師になり、どのような働き方やキャリア形成を築いていきたいかを十分に検討して薬剤師を目指すかどうかを決めてください。
ひとみひとみ
薬剤師、ライター。オランダ在住。(詳細はこちらのページで)
薬剤師を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、まひろさんが薬剤師になる6年後には薬剤師の仕事がどのように変わっているか正直想像ができません。 先日(2019年4月2日)、厚生労働省から「調剤業務を薬剤師以外の者が行ってもよい」との通達があり、業界に激震が走りました。今までは薬剤師以外が調剤することは禁止行為とされていたのが急にOKになったのです。 これは薬剤師の仕事が大幅に減ることを意味しています。2年に1度見直される診療報酬改定でも薬剤師には厳しい改訂ばかりが続いているので、仕事の選り好みはできなくなっていくと思います。 ただし、薬剤師の仕事が在宅医療だけになることはあり得ません。例えば、ドラッグストアの薬剤師や病院薬剤師を目指せば在宅医療に関わらずに働くことが可能です。 また、調剤薬局の薬剤師にこだわる場合でも在宅医療を避ける方法はあります。例えば個人宅ではなく老人ホームなどの施設を担当している調剤薬局を選べばいいんです。 私も、以前調剤薬局に勤めていたときに施設の訪問を担当していましたが、患者さんの数も多いため薬剤師2人と事務員一人で訪問していました。施設を担当すれば、個人宅に一人で訪問することはないでしょう。 ただし、薬剤師の仕事や働き方はこれから大きく変わることが予想されるので、柔軟に対応できる薬剤師でなければ生き残ることが難しいかもしれません。 これから薬学部を目指すのであれば、その辺りの覚悟を持って挑戦してみてくださいね。
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まひろさん
25歳、女性
文学部を卒業して、医療機関で医療事務として3年勤務しており、やっと仕事を覚えて職場に慣れてきました。そんな中で薬剤師さんのお仕事を間近でみて、私も「薬剤師を目指したい」と考えるようになりました。シニア世代の方もご活躍なさっている専門職ですし、薬剤師という仕事にも非常に魅力を感じています。 けれども、私は在宅医療だけには携わりたくないと思っているのです。個人宅にひとりでお伺いするのが抵抗があるからです。 今後、在宅医療のニーズは増えてくると思うのですが、在宅医療をやりたくないのに薬学部に入り直すのはやめた方が良いでしょうか? 在宅医療以外でも薬剤師として活躍できる道って少ないですか? せっかく薬剤師の資格を取得したとしても、在宅医療に携わるのであれば意味がありません。学費や6年という時間を無駄にはしたくないので、薬剤師と在宅医療のかかわりや今後の予測について教えてください。 「薬剤師のキャリアカウンセリング」という趣旨から外れてしまって申し訳ないです。職場の薬剤師さんには聞きづらいことなので、ドラおじさんにお伺いしたいと思いました。 お返事をいただけるとうれしいです。
ドラおじさん
薬剤師専門の大手人材紹介会社に勤務していたアドバイザーで、薬剤師転職のプロ。見た目はメタボだけど仕事はめちゃくちゃ頼りになるおじさん。(ドラおじさんの詳細はこちら
結論から申し上げると、調剤薬局の薬剤師になることはお勧めできません。 現在調剤薬局を運営する企業のほとんどが、在宅に注力する流れです。また、まひろさんが薬剤師になったとして、周りの同期より10歳近く年齢が高いにも関わらず、仕事の選り好みをするのはキャリア形成において致命的といえます。在宅医療を避けて調剤薬局でキャリアアップを図るのはかなり難しいでしょう。 また、薬学部に入学すると5年生で11週間の薬局実習に参加しますが、ここでおそらく在宅医療に同行することになると思います。薬局実習は必須単位なので、在宅医療の見学を拒否することはできません。つまり「在宅医療に絶対行きたくない」というのであれば、薬学部を卒業することすらできない可能性があるということです。 そこで、在宅医療に対する考えを改めることはできませんか。 私はよく「在宅を担当したくない」という薬剤師の相談を受けるのですが、そのほとんどの方が在宅業務に携わったことがなく、勝手にかなり悪い想像を膨らませてしまっています。確かに患者さんとのトラブルに巻き込まれたり、家の中が不衛生だったりすることもありますが、それが普通ではありません。薬局実習で実際に体験してみることで考えが変わるかもしれません。 在宅医療に携わってもどうしても耐えられない場合は、その時に会社と相談してみてください。何か解決策を考えてくれるはずです。 また人間は慣れる生き物です。最初は抵抗があるかもしれませんが、次第に慣れてきます。調剤薬局の薬剤師を目指すのであれば、在宅医療に携わるつもりで就職することをお勧めします。 一方で、ドラッグストアの薬剤師を目指すのであれば話は別です。調剤薬局よりも早期に年収が上がるので、年収500~600万円で十分ということであればドラッグストアに就職すると良いでしょう。 管理職を目指さないのであれば、ドラッグストアであれば在宅を避けて安定して働くことは可能です。患者さんへの対応や積極的な業務改善提案ができれば、薬剤師として重宝されると思います。 まひろさんがどのような薬剤師になり、どのような働き方やキャリア形成を築いていきたいかを十分に検討して薬剤師を目指すかどうかを決めてください。
ひとみひとみ
薬剤師、ライター。オランダ在住。(詳細はこちらのページで)
薬剤師を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、まひろさんが薬剤師になる6年後には薬剤師の仕事がどのように変わっているか正直想像ができません。 先日(2019年4月2日)、厚生労働省から「調剤業務を薬剤師以外の者が行ってもよい」との通達があり、業界に激震が走りました。今までは薬剤師以外が調剤することは禁止行為とされていたのが急にOKになったのです。 これは薬剤師の仕事が大幅に減ることを意味しています。2年に1度見直される診療報酬改定でも薬剤師には厳しい改訂ばかりが続いているので、仕事の選り好みはできなくなっていくと思います。 ただし、薬剤師の仕事が在宅医療だけになることはあり得ません。例えば、ドラッグストアの薬剤師や病院薬剤師を目指せば在宅医療に関わらずに働くことが可能です。 また、調剤薬局の薬剤師にこだわる場合でも在宅医療を避ける方法はあります。例えば個人宅ではなく老人ホームなどの施設を担当している調剤薬局を選べばいいんです。 私も、以前調剤薬局に勤めていたときに施設の訪問を担当していましたが、患者さんの数も多いため薬剤師2人と事務員一人で訪問していました。施設を担当すれば、個人宅に一人で訪問することはないでしょう。 ただし、薬剤師の仕事や働き方はこれから大きく変わることが予想されるので、柔軟に対応できる薬剤師でなければ生き残ることが難しいかもしれません。 これから薬学部を目指すのであれば、その辺りの覚悟を持って挑戦してみてくださいね。
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まひろさん
25歳、女性
文学部を卒業して、医療機関で医療事務として3年勤務しており、やっと仕事を覚えて職場に慣れてきました。そんな中で薬剤師さんのお仕事を間近でみて、私も「薬剤師を目指したい」と考えるようになりました。シニア世代の方もご活躍なさっている専門職ですし、薬剤師という仕事にも非常に魅力を感じています。 けれども、私は在宅医療だけには携わりたくないと思っているのです。個人宅にひとりでお伺いするのが抵抗があるからです。 今後、在宅医療のニーズは増えてくると思うのですが、在宅医療をやりたくないのに薬学部に入り直すのはやめた方が良いでしょうか? 在宅医療以外でも薬剤師として活躍できる道って少ないですか? せっかく薬剤師の資格を取得したとしても、在宅医療に携わるのであれば意味がありません。学費や6年という時間を無駄にはしたくないので、薬剤師と在宅医療のかかわりや今後の予測について教えてください。 「薬剤師のキャリアカウンセリング」という趣旨から外れてしまって申し訳ないです。職場の薬剤師さんには聞きづらいことなので、ドラおじさんにお伺いしたいと思いました。 お返事をいただけるとうれしいです。
ドラおじさん
薬剤師専門の大手人材紹介会社に勤務していたアドバイザーで、薬剤師転職のプロ。見た目はメタボだけど仕事はめちゃくちゃ頼りになるおじさん。(ドラおじさんの詳細はこちら
結論から申し上げると、調剤薬局の薬剤師になることはお勧めできません。 現在調剤薬局を運営する企業のほとんどが、在宅に注力する流れです。また、まひろさんが薬剤師になったとして、周りの同期より10歳近く年齢が高いにも関わらず、仕事の選り好みをするのはキャリア形成において致命的といえます。在宅医療を避けて調剤薬局でキャリアアップを図るのはかなり難しいでしょう。 また、薬学部に入学すると5年生で11週間の薬局実習に参加しますが、ここでおそらく在宅医療に同行することになると思います。薬局実習は必須単位なので、在宅医療の見学を拒否することはできません。つまり「在宅医療に絶対行きたくない」というのであれば、薬学部を卒業することすらできない可能性があるということです。 そこで、在宅医療に対する考えを改めることはできませんか。 私はよく「在宅を担当したくない」という薬剤師の相談を受けるのですが、そのほとんどの方が在宅業務に携わったことがなく、勝手にかなり悪い想像を膨らませてしまっています。確かに患者さんとのトラブルに巻き込まれたり、家の中が不衛生だったりすることもありますが、それが普通ではありません。薬局実習で実際に体験してみることで考えが変わるかもしれません。 在宅医療に携わってもどうしても耐えられない場合は、その時に会社と相談してみてください。何か解決策を考えてくれるはずです。 また人間は慣れる生き物です。最初は抵抗があるかもしれませんが、次第に慣れてきます。調剤薬局の薬剤師を目指すのであれば、在宅医療に携わるつもりで就職することをお勧めします。 一方で、ドラッグストアの薬剤師を目指すのであれば話は別です。調剤薬局よりも早期に年収が上がるので、年収500~600万円で十分ということであればドラッグストアに就職すると良いでしょう。 管理職を目指さないのであれば、ドラッグストアであれば在宅を避けて安定して働くことは可能です。患者さんへの対応や積極的な業務改善提案ができれば、薬剤師として重宝されると思います。 まひろさんがどのような薬剤師になり、どのような働き方やキャリア形成を築いていきたいかを十分に検討して薬剤師を目指すかどうかを決めてください。
ひとみひとみ
薬剤師、ライター。オランダ在住。(詳細はこちらのページで)
薬剤師を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、まひろさんが薬剤師になる6年後には薬剤師の仕事がどのように変わっているか正直想像ができません。 先日(2019年4月2日)、厚生労働省から「調剤業務を薬剤師以外の者が行ってもよい」との通達があり、業界に激震が走りました。今までは薬剤師以外が調剤することは禁止行為とされていたのが急にOKになったのです。 これは薬剤師の仕事が大幅に減ることを意味しています。2年に1度見直される診療報酬改定でも薬剤師には厳しい改訂ばかりが続いているので、仕事の選り好みはできなくなっていくと思います。 ただし、薬剤師の仕事が在宅医療だけになることはあり得ません。例えば、ドラッグストアの薬剤師や病院薬剤師を目指せば在宅医療に関わらずに働くことが可能です。 また、調剤薬局の薬剤師にこだわる場合でも在宅医療を避ける方法はあります。例えば個人宅ではなく老人ホームなどの施設を担当している調剤薬局を選べばいいんです。 私も、以前調剤薬局に勤めていたときに施設の訪問を担当していましたが、患者さんの数も多いため薬剤師2人と事務員一人で訪問していました。施設を担当すれば、個人宅に一人で訪問することはないでしょう。 ただし、薬剤師の仕事や働き方はこれから大きく変わることが予想されるので、柔軟に対応できる薬剤師でなければ生き残ることが難しいかもしれません。 これから薬学部を目指すのであれば、その辺りの覚悟を持って挑戦してみてくださいね。
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転職ご相談事例

在宅を絶対にやりたくない……。社会人から薬剤師を目指しているが、やめた方が良い?

まひろさん
25歳、女性

文学部を卒業して、医療機関で医療事務として3年勤務しており、やっと仕事を覚えて職場に慣れてきました。そんな中で薬剤師さんのお仕事を間近でみて、私も「薬剤師を目指したい」と考えるようになりました。シニア世代の方もご活躍なさっている専門職ですし、薬剤師という仕事にも非常に魅力を感じています。

けれども、私は在宅医療だけには携わりたくないと思っているのです。個人宅にひとりでお伺いするのが抵抗があるからです。

今後、在宅医療のニーズは増えてくると思うのですが、在宅医療をやりたくないのに薬学部に入り直すのはやめた方が良いでしょうか? 在宅医療以外でも薬剤師として活躍できる道って少ないですか?

せっかく薬剤師の資格を取得したとしても、在宅医療に携わるのであれば意味がありません。学費や6年という時間を無駄にはしたくないので、薬剤師と在宅医療のかかわりや今後の予測について教えてください。

「薬剤師のキャリアカウンセリング」という趣旨から外れてしまって申し訳ないです。職場の薬剤師さんには聞きづらいことなので、ドラおじさんにお伺いしたいと思いました。

お返事をいただけるとうれしいです。

ドラおじさん
薬剤師専門の大手人材紹介会社に勤務していたアドバイザーで、薬剤師転職のプロ。見た目はメタボだけど仕事はめちゃくちゃ頼りになるおじさん。(ドラおじさんの詳細はこちら

結論から申し上げると、調剤薬局の薬剤師になることはお勧めできません。

現在調剤薬局を運営する企業のほとんどが、在宅に注力する流れです。また、まひろさんが薬剤師になったとして、周りの同期より10歳近く年齢が高いにも関わらず、仕事の選り好みをするのはキャリア形成において致命的といえます。在宅医療を避けて調剤薬局でキャリアアップを図るのはかなり難しいでしょう。

また、薬学部に入学すると5年生で11週間の薬局実習に参加しますが、ここでおそらく在宅医療に同行することになると思います。薬局実習は必須単位なので、在宅医療の見学を拒否することはできません。つまり「在宅医療に絶対行きたくない」というのであれば、薬学部を卒業することすらできない可能性があるということです。

そこで、在宅医療に対する考えを改めることはできませんか。

私はよく「在宅を担当したくない」という薬剤師の相談を受けるのですが、そのほとんどの方が在宅業務に携わったことがなく、勝手にかなり悪い想像を膨らませてしまっています。確かに患者さんとのトラブルに巻き込まれたり、家の中が不衛生だったりすることもありますが、それが普通ではありません。薬局実習で実際に体験してみることで考えが変わるかもしれません。

在宅医療に携わってもどうしても耐えられない場合は、その時に会社と相談してみてください。何か解決策を考えてくれるはずです。

また人間は慣れる生き物です。最初は抵抗があるかもしれませんが、次第に慣れてきます。調剤薬局の薬剤師を目指すのであれば、在宅医療に携わるつもりで就職することをお勧めします。

一方で、ドラッグストアの薬剤師を目指すのであれば話は別です。調剤薬局よりも早期に年収が上がるので、年収500~600万円で十分ということであればドラッグストアに就職すると良いでしょう。

管理職を目指さないのであれば、ドラッグストアであれば在宅を避けて安定して働くことは可能です。患者さんへの対応や積極的な業務改善提案ができれば、薬剤師として重宝されると思います。

まひろさんがどのような薬剤師になり、どのような働き方やキャリア形成を築いていきたいかを十分に検討して薬剤師を目指すかどうかを決めてください。

ひとみひとみ
薬剤師、ライター。オランダ在住。(詳細はこちらのページで)

薬剤師を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、まひろさんが薬剤師になる6年後には薬剤師の仕事がどのように変わっているか正直想像ができません。

先日(2019年4月2日)、厚生労働省から「調剤業務を薬剤師以外の者が行ってもよい」との通達があり、業界に激震が走りました。今までは薬剤師以外が調剤することは禁止行為とされていたのが急にOKになったのです。

これは薬剤師の仕事が大幅に減ることを意味しています。2年に1度見直される診療報酬改定でも薬剤師には厳しい改訂ばかりが続いているので、仕事の選り好みはできなくなっていくと思います。

ただし、薬剤師の仕事が在宅医療だけになることはあり得ません。例えば、ドラッグストアの薬剤師や病院薬剤師を目指せば在宅医療に関わらずに働くことが可能です。

また、調剤薬局の薬剤師にこだわる場合でも在宅医療を避ける方法はあります。例えば個人宅ではなく老人ホームなどの施設を担当している調剤薬局を選べばいいんです。

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ただし、薬剤師の仕事や働き方はこれから大きく変わることが予想されるので、柔軟に対応できる薬剤師でなければ生き残ることが難しいかもしれません。

これから薬学部を目指すのであれば、その辺りの覚悟を持って挑戦してみてくださいね。

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