転職ご相談事例

在宅に携わりたいけど、年収を維持したいし、55歳で年齢的にもギリ。どうすればいい?

土井ちゃんさん
55歳、女性

55歳の土井ちゃんと申します。ひとりっ子で、父を亡くし、母の在宅介護をしています。また、シングルで子ども3人を育てており、下の子がまだ大学生です。

大学病院で研修を受け、病院・調剤薬局と勤務してきました。現在勤務している調剤薬局では、管理薬剤師として10年目になり、年収は約650万円です。

現在の薬局では在宅のニーズがあるものの、マンパワーの問題で人と時間を十分に割くことができません。必要性は理解されているものの、通常業務に追われて、そちらまで手を回すことができないのが実態です。そのため、在宅対応は近隣のごく限られた患者さんのみになってしまいます。

母の介護の経験もあり、「在宅で患者さんを中心にした医療に携わりたい」と、転職を考えるようにありました。

しかし、お付き合いが長い患者さんも多くいらっしゃるので、踏み切れませんでした。また、家庭の事情で年収をなるべく維持したいのもネックのひとつです。

年齢的に考えても、転職はこれが最後になると思うので、やりたいことに力を注ぎ、やりがいを感じながら仕事に取り組みたいです。難しいとは思いますが、私の年代でも転職は可能でしょうか。また、年収を確保することは可能か教えていただけるとうれしいです。

ドラおじさん
薬剤師専門の大手人材紹介会社に勤務していたアドバイザーで、薬剤師転職のプロ。見た目はメタボだけど仕事はめちゃくちゃ頼りになるおじさん。(ドラおじさんの詳細はこちら

ご相談ありがとうございます。ドラおじさんです。

病院と薬局での長年のキャリアに加え、管理薬剤師の経験も10年目と薬剤師として十分なスキルと知識が身についていて、素晴らしいキャリアですね。加えて3人の子育て、お母様の介護と本当に感心します。

「最後にやりたいことに力を注ぎたい」とのことですね。バイタリティーを感じる土井さんですが、確かに転職は年齢的には最後になるかもしれません。

結論からお話しすると、土井さんが年収650万円を維持して在宅医療に力を入れた調剤薬局への転職は可能です。「在宅医療中心の薬局だと、利益の確保が難しいので年収が下がるのでは?」と心配される方がいらっしゃいますが、実際は通常の調剤薬局の年収と変わらないんです。むしろ、今後は診療報酬改定によって在宅医療に力を入れない薬局の方が経営が厳しくなっていくと考えられます。

ただし、職場によっては年収600万円をキープするのが難しい可能性もあります。というのも、薬剤師の年収はキャリアによって変わるというより「マネジメントできるかどうか」と「働く場所」で決まるんです。

調剤薬局では保険の点数があらかじめ決まっているので、新人の薬剤師あるいはキャリアを積んだ薬剤師が調剤しても、結局のところ請求できる金額は同じですよね。したがって、マネジメント(管理薬剤師)ができるかどうかが、年収の大きな差につながります。

また、同じ人材でも働く場所によって年収は大きく変わります。例えば、薬剤師不足が深刻な僻地と、薬剤師の数が足りている東京都心部や都市部のベッドタウンでは、同じ薬剤師でも提示される年収が数百万円違ってくることもあるんです。

ですので、土井さんが年収650万円を確保するのであれば、「どのエリアで転職を考えているのか」が最も重要なポイントかなと。マネジメントについては、9年以上の管理薬剤師の経験があるので全く問題ありません。

土井さんは年齢も気にされているようですが、最近では70歳前まで現役で働いている元気な薬剤師さんもいます。私自身、60代の方の転職のお手伝いをすることもあるんですよ。55歳であれば、薬剤師としては十分活躍できる年齢です。でぜひ頑張ってください。

差し支えない範囲で、ご希望の就業場所を私に教えていただきましたら、年収相場をお伝えできますので、よければご連絡ください。

ひとみひとみ
薬剤師、ライター。オランダ在住。(詳細はこちらのページで)

お母様の介護を続けながら、シングルで3人の子育ては本当に大変だと思います。さらに患者さんのために、もっと在宅医療に携わりたいとのこと…頭がさがります。

年収のことは、ドラおじさんから詳しい解説があったので、私の方からは在宅医療を専門にした薬局についての注意点を述べたいと思います。

ご存知だとは思いますが、在宅業務専門の調剤薬局の場合、施設を中心に在宅業務に携わっている薬局と、個人宅を中心に在宅に関わっているところ、そしてその両方があると思います。

私としては、なるべく施設専門の調剤薬局への転職は避けることをおすすめします。施設の場合はケアマネージャーの力が強すぎるからです。患者さんよりも、ケアマネージャーに気を遣って仕事を進めなければなりません。そして、在宅患者さんの調剤にひたすら追われる可能性があります。

土井さんの場合、個人宅に訪問して一人ひとり丁寧に在宅に携わることを望まれていると思います。ただ、在宅医療って診療報酬は高いものの、移動を含め時間を割かなければならず、利益をあげようと思うと結局、数をこなさないといけないんですよね。その点、施設は一度にたくさんの患者さんをみれるから利益は出るのですが…。薬局に患者さんが薬を取りに来てくれる今の状態とは異なり、土井さんが訪問しなければならないので、今より体力が必要になると思います。

店舗を決める際は、年収だけではなく1日あたり何件の個人宅を回るのか、一人で訪問するのか、施設は担当するのかなどを考慮して選んでくださいね。

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