みどりの進路相談室

薬剤師の仕事内容って? 中学生でも分かるように簡単に教えて!

薬剤師の仕事内容って?

最近、薬局に行くたびに薬剤師の仕事が気になるんだ。でも見ているだけじゃ薬剤師がどんなことをしているのかよく分からないし、自分で調べても初めて見る難しい言葉が多くて理解できなくて……。

薬剤師がどんな仕事をしているのか、中学生の私にも分かりやすく教えてほしい!

薬剤師といっても働く場所によって仕事内容が違ってくるんだけど、だいたいは薬局で働いていることが多いね。

薬局で働く薬剤師の主な仕事は、医師の指示した薬に問題がないかチェックして、患者さんが安心して使える状態で薬を準備して渡すこと。これは薬剤師の資格を持っている人しかやってはいけない、とても大事な仕事なんだよ。

もくじ

登場人物紹介

りこ
女子中学生(3年)。はねっかえりの元気っこ。鉄道大好きで、男子と話していることが多い。
みどり
当サイトのナビゲーターで、都内の製薬会社でDI・学術担当として従事している設定の薬剤師。中の人は現役の薬剤師が監修してます。普段は質問をぶつける役ですが、ここでは私がぶつけられる側です!

1. 薬のアドバイスをする薬剤師

薬局の薬剤師の仕事をもう少しくわしく話すと、まず、医師が診断して処方せんを書いて患者さんに渡すのね。

患者さんはその処方せんを持って薬局に来るから、薬剤師はその処方せんの内容に問題がないか確認して、それから薬を準備するの。

ちょ、ちょっとまって!「処方せん」って何……?

ありゃ、そこから分からなかったのね。

うん。薬剤師のことは調べてみたんだけど、初めて見る言葉が多くて……。

たしかに中学生だと馴染みのない言葉が多いかも。頑張って分かりやすく説明してみるね!

お願いしますっ!

それで、「処方せん」のことだけど……風邪を引いた時に一人で病院に行ったことってある?

うーん、いつも病院はお母さんといっしょだから、一人では行ったことないかな。

そっかぁ。それだと分かりづらいよね。

???

病院で診てもらった後、薬をもらいに薬局にも行くでしょ?薬局に行ったら、お薬手帳や保険証といっしょに処方せんも薬剤師に渡しているはずなんだ。

あ〜、お母さんが薬剤師に何か渡してたかも!でも、ちゃんとは見たことないなぁ……。

処方せんは、たとえば医師が「熱を下げるこの薬を、この患者さんにこの量で出してあげてください」とかって薬剤師に頼むために書いた紙のことだよ。

医師は病気を診断したり、病気を治す方法を考えたりするのが仕事なんだけど、処方せんを元に薬を準備するのは基本的に薬剤師しかやっちゃいけないって、法律で決まっているんだ。

ちなみに、薬剤師が処方せんを元に薬を準備することを「調剤」って言うんだよ。

なんでそんなめんどくさいことしてるの? そのままお医者さんが薬も渡してくれればいいのに!

それは、お医者さんの出した薬の指示が、間違っていることがあるから。

えっ、そうなの?! だって、お医者さんって頭いいんでしょ?

どんなに頭のいい医師でも人間だから、間違えちゃうことはあるんだよ。それに、医師は必ずしも薬について詳しいわけじゃないしね。だからその間違いを防ぐために、医師と薬剤師のダブルチェックで安全性を高めているの。

処方箋の内容が適切か、確認する

例えば、学校のテストで全教科100点満点をずーっと取り続けようと思ったら、どんなに頭が良い子でもけっこう難しいよね。でも、得意な科目1個だけで良いよって言われたら、なんとかできそうな気がしない?

う〜ん……。めちゃくちゃ頑張ればできる、かも?

それと同じで、医師も薬剤師も、それぞれが得意なものだけに集中した方が、それぞれの仕事の質がもっと良くなるの。医師と薬剤師の仕事を分ける、このやり方を「医薬分業(いやくぶんぎょう)」っていうんだよ。

その方が仕事がラクになっていいよね、ってこと?

いや、仕事をラクにするためじゃなくて……。例えば、いつもお世話になっているお医者さんが実は間違った薬をしょっちゅう出していたとしたら、どう思う?

嫌だよ、そんなの。怖いもん!

だよね。でも、医師と薬剤師の仕事が分かれていなかったら、そういうおかしなことにも気付けないままになってしまうの。

特に子どもの場合は、年齢・体重で薬の量が変わってくるんだけど、その量が間違っているだけでも大変なんだよ。

もし間違ったまま薬を飲んだら?

気持ち悪くなったり、最悪の場合は死んでしまったりするね。

え、怖っ……。

間違った内容の薬を出してしまって患者様が亡くなってしまうというのは、業界が大騒ぎになるほどの大変な事件なんだけど、実際に過去に何度か起こっているんだよ。

しかもそれらは薬剤師が居るときに起こっている事件だから、もし薬剤師という職業が無かったらどれだけの方が亡くなっているか、想像すると恐ろしいよね。

責任重大だね……。

ドラッグストアとかで自分で選んで買える薬と違って、病院で出される薬は効き目が強いから、間違えると命に関わってくるの。

効き目が強い……?

効果が出やすくて治りやすいってこと。でもこれは同時に、間違った飲み方をしたときに悪い効果が出やすいってことでもあるんだ。たとえば、お腹が痛くなったり、身体がかゆくなったり。

だから、ただ薬を渡すだけじゃなくて「患者さんに正しく安心して薬を使ってもらう」というのも、薬剤師の大事な仕事のひとつなんだよ。

そのためにも、薬剤師は患者さんとの会話も大切にしているの。

患者さんとの会話? 薬の説明をするだけで終わりじゃないの?

薬の説明だけじゃなくて、他に何か薬を飲んでいないか、アレルギーがないか、そういうことも聞いたりするよ。薬によってはいっしょに飲んだら効果が強くなりすぎたり弱くなったりするものがあるからね。

え〜でもそれって、どうせ誰とでも同じようなことを話すことになっているんでしょ?笑

患者さんによって会話は違ってくるよ。例えば……うーん、ちょっと私の体験を話すね。

薬の説明の時、あるおばあちゃんと会話していると時々おかしな発言があって、認知症になりかけているのかなって感じたの。でもそんな薬の指示はないし、よくよく話さないと認知症の症状って気付けないんだよね。

医師とゆっくり会話できることって少ないから「診察の時だけはちゃんと会話ができていたんだろうな」って思ったの。それで早いうちに対処しないと認知症が悪化して大変だから、医師に相談して薬を出してもらったんだ。

ご家族にも連絡したら、一人暮らしのおばあちゃんだったから全く気付いていなかったみたいで、「連絡してくれてありがとう」って言ってもらえたんだよ。

すごい! お医者さんじゃなくて、薬剤師が病気に気付くこともあるんだね!

そうだよ。こういうことがあるから、薬剤師は患者さんとの何気ない会話も大切にしているの。

それと「薬のアドバイスをする」っていう点で言えば、薬局じゃなくて病院にも薬剤師がいるんだよ。

えっ、薬剤師って病院にもいるの!?でもなんか、見たことない気がするんだけど……。

そうかもね。病院薬剤師は入院患者さんのいる建物や調剤室にいて、その日に外から来た患者さんとは会わないことが多いから。

へ〜。その病院薬剤師は何をしているの?

入院患者さんの薬はもちろん、注射や点滴も作っているよ。病院薬剤師は、薬局とはまた違った内容の医療知識を求められるね。お医者さんや看護師さん達と協力して、みんなで患者さんを治すんだよ。

注射に点滴!まさに病院って感じ!かっこいいね!

でも病院薬剤師は、夜中も仕事しなきゃいけないこともあるからね。入院患者さんのいる病院は24時間体制だから。

それは大変そう……。

2. 新しい薬を作り出す薬剤師

薬剤師の仕事って、薬局と病院の他にもあったりするの?

うん。「研究職」っていうのもあって、製薬会社で新しい薬を開発するために日々研究している薬剤師がいるよ。

へ〜!どういう研究をしているの?

これまで治療薬が無かった薬を見つけるために、薬になる可能性のある成分を片っ端から試したり、病気を発見するための検査薬を開発したりしているよ。

研究職は、とにかく実験の日々

治療薬だけじゃなくて、検査薬も?

そうだよ。例えば、がんって病気は発見が遅いと手遅れになってしまうんだけど、まだがんが小さいうちに発見できたら治せることが多いの。

がん……、友達のおじさんが、がんで亡くなったって言ってた……。

がんは身近な病気だよね。治療薬を開発することも大切だけど、検査薬を開発してがんが簡単に見つけられるようになれば、たくさんの人の命を救えるのは分かるよね?

うんうん。それでその、がんが簡単に見つかる検査薬っていうのは開発できてるの?

うん。今では、検査薬を使ってがん細胞に目印をつけて、それを特殊な機械で撮影するという方法があるの。この検査によって小さながんまで見つけられるようになって、早いうちからがんの治療ができるようになっているんだよ。

すごい!そうやって自分が開発した薬で人の命を救えるなんて憧れる!

憧れるよね! でも薬の研究をしていて実際に使用されるところまでたどり着けるのは、ほんのわずかなんだよ。

え、なんで?

新しい薬を見つけたとしても、人間に使って大丈夫なのか、効果はどのくらいあるのか、慎重に調べないといけないの。だから、新しい薬が世の中で患者さんに使われるまでには、例えば10年以上もの長い年月が必要だったりするんだよ。

そんなに!? えっ、その研究っていうのは、10年とか頑張れば絶対成功するの?

まさか!ひとつでも世に出た新しい薬の開発に関われたなら、それはもうすごいことだね。

それに、新しい薬を開発することだけが成果じゃないんだよ。薬の、身体の中での効果についての研究や、それを確かめるための良い方法を考えることも、新しい薬を作り出すための研究なんだよ。

う〜ん、とは言っても、人の役に立つかどうか分からない研究を毎日続けているなんて……。

たしかに研究職はすごく根気のいる仕事だけど、自分が研究して作った薬で何億人もの命を救うことができるかも知れないっていうのは、すごくやりがいがあると思うよ。

それはすごい夢があるよね。でも、めっちゃくちゃ頭良くないと研究者にはなれなそう……。

製薬会社の研究職に就くには大学院を卒業する必要があるから、4年制の薬学部へ進学して、更にその後に2年間大学院に行かないといけないね。6年制の薬学部からでもなれないわけじゃないけど、かなり難しいかな。

ちなみに製薬会社の研究職は、薬剤師である必要はないよ。

え! 薬剤師じゃなくてもなれるの?

うん。薬学部以外の理系出身者も、製薬会社で研究者としてたくさん働いているよ。とは言っても、大学でずっと薬の勉強をしてきた薬学部出身者は、知識をそのまま活かせるし、とってもやりがいを感じているみたい。

3. 幅広く活躍する薬剤師

実は他にも薬剤師が活躍している場があるよ。

まだあるの!?

例えば、私の友達の話だけど、化粧品会社で研究開発の仕事をしていたよ。成分の肌への作用を考えたり、実際に販売する化粧水やクリームのレシピを決めたりするの。

へ〜!薬剤師って薬だけじゃないんだね!

それから、化粧品は「薬機法(やっきほう)」という薬の法律に従わないといけないから、ここでも薬剤師の知識が活かせるの。

薬の法律……?

そう。薬機法によって化粧品に使える成分が限られていたり、パッケージに表示できる項目が決められていたりして、こういった色々なルールが守られているから、薬や化粧品を安心して使えるんだよ。

最近コスメにも興味あるから、化粧品会社の薬剤師もいいなぁ。

他にも、スポーツファーマシストは知ってる?スポーツ選手に対して正しい薬の使い方を指導するの。ほら、最近スポーツ選手のドーピングが世界でも問題になっているでしょ?

うーん……ドーピングって、オリンピックとかで聞いたことがある気がするんだけど、なんだっけ?

ドーピングは、スポーツ選手が運動能力を高めるために、禁止されている薬を使うこと。その禁止されている物質っていうのは色々あって、ドラッグストアに売っている風邪薬とか目薬とかにも入っていることがあるの。

だから、スポーツ選手が安心して正々堂々と戦うためにも、薬剤師への期待が高まっているんだよ。

かっこいい!しかもスポーツ選手と関われるなんて……!

かっこいいと言えば、私も一度なりたいと思ったことがある麻薬取締官(まやくとりしまりかん)っていうのもあるよ。「マトリ」とも呼ばれるんだけど、空港とかで違法薬物を持ち込んでいないかを監視するの。

違法薬物の持ち込み許しません

なんか警察官みたいだね!

「薬にくわしい警察官」って考えるとイメージしやすいかも。マトリは犯罪の捜査もするから危険なこともあるけど、ここでも薬剤師としての知識が活かせるんだ。

薬剤師って薬局だけだと思ってたけど、色んなところで活躍できるんだね!

そうだよ!「職業を知ること」は「将来の可能性を広げること」にもつながるから、ぜひ他の職業についても調べてみてね。

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