転職ご相談事例
新卒で急性期病院に就職して3ヶ月、仕事が辛くてもう辞めたい。薬剤師、向いてないの?
鈴木 彩夢さん
- 24歳、女性
新卒で急性期病棟を抱えている総合病院に薬剤師資格を生かして就職しました。まだ勤務をスタートして3ヶ月目なのですが、「転職したい」と考えています。
もともと接客アルバイトの経験を患者さんとのコミュニケーションに生かせると思って就職しました。けれども今の病院は院内処方箋の数が多く、新人の私はピッキングが主な仕事です。
患者さんだけではなく、他の人とも触れ合いがほとんどなく、単調な作業をただこなしている感じです。先輩たちもあまり仕事内容は変わらないので、このままここで勤務しても成長がないと思います。
その上、仕事柄ミスが許されないからだと思うのですが、上司のあたりが強くて辛いです。ミスをしないように細心の注意を払うので、プレッシャーが大きいですし、頑張っても褒めてもらえないし、怒られるので嫌になってしまいました。
私自身そそっかしい所もあるので、「薬剤師に向いていないのかもしれない」と最近思っています。
薬剤師資格を持っていても、他のお仕事をなさっている方もいらっしゃいますよね。ドラおじさんは、薬剤師として働き続けるのと転職をするのと、どっちが良いと思いますか?
- ドラおじさん
- 薬剤師専門の大手人材紹介会社に勤務していたアドバイザーで、薬剤師転職のプロ。見た目はメタボだけど仕事はめちゃくちゃ頼りになるおじさん。(ドラおじさんの詳細はこちら)
院内処方をしている総合病院に勤務する薬剤師の仕事は大変かと想像します。大病院という特性上、薬剤部は「ミスをしないことが価値」となるため、ミスをすると怒られてしまうのでしょう。
ピッキングが主で患者さんとのコミュニケーションがほとんどないようであれば、病院薬剤師としての経験が積めずもったいないですね。ピッキング以外の仕事ができないようでしたら、そのまま働き続けていても転職に有利になるとは思えません。
したがって転職を検討してみてもいいと思います。
彩夢さんの場合は患者さんとのコミュニケーションを望んでいらっしゃるようなので、例えば整形外科や眼科の門前薬局を検討してみてはいかがでしょうか。湿布や塗り薬、点眼薬がメインとなるので調剤に時間がかからず、その分、患者さんとのコミュニケーションに注力できます。
また、街中にあるドラッグストアもお勧めです。総合病院のように重い処方せんが来ることは少なく、風邪薬がメインとなります。
どちらも深刻な病気の薬を調剤することは少なく、患者さんとのコミュニケーションを楽しめる仕事になります。彩夢さんが希望する落ち着いた職場でやりがいを感じながらキャリアを築いていけるでしょう。
紹介会社ですが、お若いので基本どこでも良いかとは思いますが、とはいえ若手なので、ご相談にきちんと乗っていただける紹介会社のほうが良いですね。したがって薬キャリは避けたほうがよく、マイナビ、リクナビ、ファルマスタッフのどこかにご登録いただくのがよろしいかと。
各サイトの詳細は下記の記事で解説しているので、読んでみて下さい。
また、薬剤師以外の仕事にも興味があるようなので、参考までに紹介したいと思います。
選択肢として一般企業への就職も挙げられますが、薬剤師の免許を生かさない一般企業への転職は難しいです。まず選考で落ちてしまいます。企業の採用担当者は、ビジネスマナーやパソコンスキルがなってない薬剤師を雇うメリットはないと判断するためです。
ただ、アパレルショップやカフェ店員などのサービス業に就くことはできます。その他、学力を生かして塾講師や公務員を目指す方も。
しかしいずれの場合も収入が下がる、あるいは安定しないため、1年未満で薬剤師に復帰する方が少なくありません。
「何か他にやってみたいことがある」「やりたいことを探したい」という場合は、他のことに挑戦しながらアルバイトとして薬剤師を続けることをお勧めします。いつでも復帰できるように薬剤師としてのキャリアを中断しない方が無難です。
また、一般的なアルバイトの時給は1,000円なのに対し、薬剤師の場合は時給2,000円はもらえます。「生きていくために必要なお金を稼ぐ」という意味でも、薬剤師の仕事を継続する方が賢い選択だといえるのではないでしょうか。
ひとみ
- 薬剤師、ライター。オランダ在住。(詳細はこちらのページで)
私も病院実習で院内処方の調剤経験があるので彩夢さんの気持ちが分かります。忙しい病院内でのピッキング作業はひたすら単純作業で、自分が調剤マシーンのように思えてきますよね。
私が特に辛いと思ったのは、病院の地下室での輸液や注射剤の調剤業務でした。誰もいない地下室のクリーンベンチでひたすら調剤している仕事は、思い描いていた薬剤師の仕事とは少し違うものでした。
彩夢さんの場合、入社3ヶ月とのことなので薬剤師に向いていないと決めるのは早すぎると思います。しかも、まだピッキング作業しか経験していないんですよね?
患者さんとのコミュニケーションの多い服薬指導の業務を経験すると、彩夢さんの強みが活かせるのではないでしょうか。
ただ、忙しい病院や大型病院の門前薬局では、入社してしばらくはピッキング作業中心になるのは仕方ないかもしれません。
ピッキング作業の中で、「なぜこのような薬の組み合わせなのか」「この薬はどういう目的で処方されているのか」といったことを処方せんから読み取るだけでも勉強になります。
また、人間は誰でもミスをする生き物です。私もおっちょこちょいな性格なのでミスを避けるための工夫をしていましたよ。ミスした時は「なぜミスをしてしまったのか」ということを考え、繰り返さないためにメモしていました。
他にもヒヤリ・ハット報告を読んで、他人と同じミスを犯さないように注意を払っていました。このようにミスを避けるための努力をしてみてはいかがでしょうか。
今の段階で彩夢さんが薬剤師に向いていないと決めつけて、転職を考えるのは早すぎる気がします。もう少し他の業務を経験してから検討してみてはいかがでしょうか。
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- 最終更新日:2020年8月5日
- カテゴリー:転職ご相談事例
- タグ:20代女性薬剤師, ドラッグストアへの転職, 調剤薬局への転職